家計管理

お金を使うのがつらすぎる「節約しすぎ」の心理。「支払いの痛み」の個人差の研究

約3分で読めます 出典照合済み(2026-10-10)

A Model 1925 Kenworth with Watkins Products Markings used as a collectible piggy bank. Seen from front.
Photo: Noah Wulf / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(家計・投資の助言ではありません。出典は末尾)。

欲しい物があっても、値段を見ると買えない。必要な物なのに、お金を払うのがつらくて先延ばしにしてしまう。お金の悩みというと浪費ばかりが注目されますが、反対に「使えなさすぎる」ことに悩む人もいます。研究では、お金を払うときの心の痛みの大きさに個人差があり、それが使い方の違いを生んでいることがわかっています。

3行でわかる

  1. 1万3,327人を調べた研究では、支払いの痛みが強すぎて、本当は使いたい額より使えない「節約しすぎタイプ」が24%、痛みが弱くて使いすぎる「浪費タイプ」が15%、どちらでもない人が60%だった。
  2. オランダの調査では、現金の支払いはキャッシュレスより痛みが強く、節約しすぎタイプの人や、家計のやりくりが苦しい人ほど痛みを強く感じていた。
  3. 実験では、現金で払うと「無難な真ん中の選択肢」を選びやすくなり、その傾向は節約しすぎタイプで特に強かった。

01お金の悩みは、「使いすぎ」だけではない

お金を払うとき、人は小さな心の痛みを感じます。この「支払いの痛み」が強すぎると、本当は使いたいことにもお金を使えなくなります。

行動経済学では、お金を払うときに感じる不快感を「支払いの痛み」と呼びます。この痛みは、使いすぎを防ぐブレーキの役割を果たします。

ただし、ブレーキの強さは人によって違います。痛みが弱すぎる人は使いすぎ、反対に強すぎる人は、必要な物や自分を大切にするための出費まで我慢してしまいます。

研究者は、節約しすぎる人も、使いすぎる人と同じように「自分が理想とする使い方」とずれた行動をとっていると考えています。

02研究でわかっていること

支払いの痛みには大きな個人差があり、使うのがつらすぎる人は浪費タイプより多くいました。支払い方法によって、痛みの強さも変わっていました。

Rickら(2008)[1]

支払いの痛みの個人差を測る尺度を作り、2004年10月からの31か月で1万3,327人に回答してもらった。全体では、使いたい額より使えない節約しすぎタイプが24%、使いすぎる浪費タイプが15%、どちらでもない人が60%だった。2つのタイプの使い方の差は、支払いの痛みが強まる場面で最も大きくなった。

対象: 米国・カナダの新聞サイトの読者、大学の学生・職員など4つの集団の1万3,327人(大半はニューヨーク・タイムズのサイトの読者) / 限界: 無作為に選んだ人ではなく、自分から答えた人の回答。

Broekhoff & van der Cruijsen(2024)[2]

オランダの消費者調査で、現金の支払いはキャッシュレスより痛みが強く、非接触の支払いは特に痛みが弱かった。節約しすぎタイプの人や、家計のやりくりが苦しい人ほど、支払いの痛みを強く感じていた。

対象: オランダの消費者への調査 / 限界: 本人の感じ方を答えてもらった調査で、原因と結果の関係までは確かめていない。

Hungら(2025)[3]

現金で払う場合とクレジットカードで払う場合の選び方を比べた実験。現金で払うと、高すぎず安すぎない「真ん中の選択肢」を選びやすく、カードではその傾向が弱かった。この違いの間には支払いの痛みが関わっていて(分析で確認)、現金の影響は節約しすぎタイプで特に強かった。

対象: 大学生・大学院生とオンラインで集めた参加者(3つの実験で計1,264人) / 限界: 買い物の場面での選択の実験で、実際の家計での行動ではない。

03今日からできる小さな一歩

節約しすぎだと感じたら、「使ってよいお金」を先に決め、その範囲では罪悪感なく使えるようにします。

1

「使ってよいお金」を先に決める

月の初めに、趣味や自分のために使ってよい金額を決めます。その範囲で使うことは「予定どおり」と考えます。

所要 5分

2

後悔した「我慢」を書き出す

買わなかったことで、後で困ったり後悔したりしたことを書き出します。節約しすぎが損になっている場面に気づけます。

所要 5分

3

自分や健康のための出費を「必要経費」とする

病院、休息、学びなど、自分を大切にするための出費を、削る対象から外します。

所要 3分

04続けるためのコツ

節約は大切ですが、使うべきことに使えないのも、お金との付き合い方の悩みの一つです。自分の理想の使い方に近づくことを目標にしましょう。

05よくある質問

節約しすぎと支払いの痛みについて、よく検索される疑問に研究の範囲で答えます。

お金を使うのがつらいのはなぜ?

お金を払うときの心の痛み(支払いの痛み)が強いためと考えられています。1万3,327人の研究では、この痛みが強すぎて使いたい額より使えない人が24%いました。

節約しすぎは悪いこと?

必要な物や自分を大切にするための出費まで我慢して後悔しているなら、見直す価値があります。研究者は、節約しすぎも理想の使い方からずれた状態だと考えています。

現金とキャッシュレスで、痛みは違う?

違います。オランダの調査では、現金の支払いはキャッシュレスより痛みが強く、非接触の支払いは特に痛みが弱いという結果でした。

節約しすぎを直すには?

使ってよいお金を先に決め、その範囲では罪悪感なく使えるようにすることが役立つと考えられます。

「家計管理・節約」を順に読む
なぜ → 気づく(この記事) → 工夫する
この悩みのガイドを見る

出典

  1. Rick, S. I., Cryder, C. E., & Loewenstein, G. (2008). Tightwads and Spendthrifts. Journal of Consumer Research, 34(6), 767-782. https://www.cmu.edu/dietrich/sds/docs/loewenstein/TightwadSpendThrift.pdf
  2. Broekhoff, M.-C., & van der Cruijsen, C. (2024). Paying in a blink of an eye: it hurts less, but you spend more. Journal of Economic Behavior & Organization, 221, 110-133. https://doi.org/10.1016/j.jebo.2024.03.017(ワーキングペーパー版: https://doi.org/10.2139/ssrn.4313825)
  3. Hung, H. H., Cheng, Y. H., Chuang, S. C., & Wang, T. M. (2025). Swipe now, regret later? How credit cards reduce the appeal of safe choices. Frontiers in Psychology, 16, 1517460. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2025.1517460