浪費・衝動買い

ギャンブルやガチャの使いすぎを防ぐには?「上限を先に決める」「使った額を見る」研究からわかった5つの工夫

約7分で読めます 出典照合済み(2026-10-11)

積み重ねたカジノのチップ
Photo: Images Money / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(家計・投資の助言ではありません。出典は末尾)。

ギャンブルやガチャの使いすぎを防ぐ工夫の中心は、遊ぶ前に「月にいくらまで」を低めに決めることと、使った額を記録して見直すことです。どちらも研究で効果の手がかりがあります。ただし効果は小さめで、使っている人が少ないこともわかっています。止められないのは意志が弱いからではありません。前もって決めた仕組みで、自分を守る方法を整理しました。

3行でわかる

  1. ノルウェーの競馬の利用者104,413人の記録では、月の損失の上限を低くした人ほど、2年後に「中〜高リスク」と判定された人が少なかった(2.0%と46.0%)。
  2. オンラインの利用者約5万人の分析では、よく遊ぶ人のうち入金の上限を決めた人は、決めなかった人より支出が大きく減った。ただし上限を使った人は1.31%だけだった。
  3. 使った額を本人に知らせる方法は、18本の実験のまとめで、数か月後に小さな減少が見られた。1つに頼らず、組み合わせるのが現実的だ。

01 悩みの正体ギャンブルやガチャは、なぜその場の決意で止めにくい?

遊んでいる最中は、惜しい外れやランダムな当たりに気持ちが引っ張られやすい。そのため研究では、遊ぶ前の落ち着いたときに決める「事前の約束」が注目されている。

続けたくなる心の仕組みは「惜しい外れ」の研究とガチャの「ランダムな報酬」の研究で扱いました。この記事は、今日からできる工夫に絞ります。

02 科学的にわかっていることギャンブルの使いすぎを防ぐ工夫に、効果はある?

上限を先に決めることと、使った額を本人に知らせることには、効果の手がかりがある。ただし多くは小さな効果で、使う人が少ないのが課題だと研究者は指摘している。

Riley ら(2024)[1]

2015〜2022年に出た55本の査読研究をまとめたレビュー。入金の上限などを前もって決める道具は、一部の人の害を減らす可能性があった。約5万人の分析では、よく遊ぶ人のうち入金の上限を決めた人は、決めなかった人より支出が大きく減っていた。ただし、上限を自分で使った人は1.31%だけだった。

対象: オンラインと店舗の利用者を調べた55本の研究 / 限界: 長い期間の効果を確かめた研究はまだ少ない。道具は「すでに問題のある人のもの」と思われ、使われにくかった。

Tørdal ら(2026)[2]

ノルウェーでは2021年から、競馬の利用者に月の損失の上限を決めることが求められている。2021年に決めた上限と、2023年の遊び方を比べた。上限が5,000クローネ以下の人で「中〜高リスク」と判定されたのは2.0%。12,001〜20,000クローネの人では46.0%だった。上限が高い人ほど賭けの回数が多く、損も大きかった。

対象: 2021年と2023年の両方に利用したノルウェーの104,413人(平均56.9歳) / 限界: 記録の関連を見た研究で、低い上限がリスクを下げたとは言い切れない。もともと多く遊ぶ人が高い上限を選んだ可能性がある。リスクの判定には上限の額も使われている。支出の額とは、はっきりした関係が見られなかった。

2.0% と 46.0%月の損失の上限を5,000クローネ以下にした人と、12,001〜20,000クローネにした人のうち、2年後に「中〜高リスク」と判定された人の割合(ノルウェーの104,413人)[2]

Smith ら(2025)[3]

遊んだ額や回数を本人に返す(ほかの人との比べも含むことがある)「個別のフィードバック」を調べた、18本の無作為化比較試験(9,869人)のまとめ。直後の差ははっきりしなかったが(g=-0.06)、その後の追跡では小さな減少があった(g=-0.10)。カウンセラーが関わる形(g=-0.18)は、関わらない形(g=-0.03)より効果が大きかった。

対象: 18本の無作為化比較試験の9,869人 / 限界: 効果は小さく、何か月続くかを細かく見積もるにはデータが足りない。

Tabri ら(2025)[4]

遊び方の質問に答え、自分の結果とほかの人の平均を受け取るクイズを試した無作為化比較試験。受け取った人は、受け取らなかった人より自分の遊び方への気づきが高まり(d=0.32)、上限を決める道具を使おうとする気持ちも高まった(d=0.20)。

対象: 過去3か月にギャンブルをしたカナダの4,091人(平均56.5歳) / 限界: 3か月後の行動の変化は、統計的にはっきりした差にならなかった。

Drummond ら(2025)[5]

ガチャ(ルートボックス)への支出を、自由に使えるお金に対する割合で見直した研究。2つのデータのうち1つで、割合が大きい人ほど心の苦しさが強い関係が見られた。研究者は、支出を額だけでなく「使えるお金の中でどれくらいか」で考えるべきだとしている。

対象: 公開された2つの調査データの再分析 / 限界: もう1つのデータ(短い質問票)では関係が見られなかった。

03 今日からできる小さな一歩ギャンブルやガチャの使いすぎを防ぐには、何から始める?

遊ぶ前に月の上限を低めに決め、使える機能があれば設定する。使った額は毎回記録し、月末に「思っていた額」と比べる。ガチャは自由に使えるお金に対する割合で見る。

1

「なくなっても困らない額」から月の上限を決める

手取りから家賃・食費・返済などを引き、自由に使えるお金を出します。上限はその一部にします。上限の低い人ほど、2年後のリスク判定が少なかった記録があります[2]。

所要 10分

2

上限を、サービスの設定に入れる

使っているサービスに、入金や課金の上限を決める機能があるか確かめます。あれば、その場の気分で変えにくい形で設定します。前もって上限を決めた人は、決めなかった人より支出が減った分析があります[1]。

所要 5分

3

使った額を、毎回メモする

勝ち負けではなく「入れた額」を、日付と一緒に書きます。使った額を本人に知らせる方法は、小さいながら減らす効果がありました[3]。

所要 1回30秒

4

月末に「思っていた額」と「記録の額」を比べる

先に記録を見ずに、今月いくら使ったかを予想して書きます。そのあと合計を出して比べます。思っていた額と実際の額のずれを示されると、遊ぶ時間とお金が減った研究があります。一方、予想のあとに実際の額を見せても、支出は減らなかった実験もあります[1]。

所要 5分

5

ガチャは「自由に使えるお金の何%か」で見る

例えば、自由に使えるお金が月3万円で、ガチャに6,000円なら20%です。額だけでは小さく見えても、割合で見ると重さがわかります[5]。

所要 3分

研究でわかっていることを、工夫ごとに整理しました。どの工夫も「これだけで止まる」ほどの効果は示されていません。

工夫研究でわかったこと注意すること
上限を低めに決める上限が低い人ほど、2年後のリスク判定が少なかった(2.0%と46.0%)[2]記録の関連で、原因と結果はわからない
上限の機能を使う使った、よく遊ぶ人は支出が大きく減った[1]使った人は1.31%だけ。決めた上限を超える人もいる[1]
使った額を知る18本のまとめで、追跡時に小さな減少(g=-0.10)[3]効果は小さい。人が関わる形の方が大きかった
質問に答えて自分の遊び方を知る気づき(d=0.32)と、上限の道具を使う気持ち(d=0.20)が高まった[4]3か月後の行動の差ははっきりしなかった
一時的に離れる(休止・自己排除)7日間の休止で、遊びたい気持ちや思い込みが減った[1]短い休止では習慣は変わらなかった。自己排除した人の約3分の1が破っていた[1]

04 続けるためのコツ決めた上限を守り続けるには?

上限を上げたくなったら、それ自体を見直しのサインにする。守れなかった月も記録はやめず、超える月が続くなら一人で抱えずに相談先を使う。

05よくある質問

ギャンブルやガチャの上限は、いくらにすればいい?

全員に当てはまる安全な額は、研究では示されていません。ノルウェーの記録では、月の損失の上限が5,000クローネ以下の人で、2年後に中〜高リスクと判定された人が最も少なくなっていました。生活費や返済を引いた「自由に使えるお金」の一部にとどめ、低めに決めるのが目安です。

上限を決めても守れないのは、意志が弱いから?

そうとは限りません。上限を守るための支援を受けた人も受けなかった人も、30日後には上限を超えていた研究があります。サービスの設定に上限を入れる、記録を続ける、人に関わってもらうなど、仕組みを重ねるのが現実的です。

ガチャも、ギャンブルと同じように考えていい?

研究者は、ガチャはギャンブルと心理的な仕組みが似ていると指摘しています。ガチャへの支出は、自由に使えるお金に対する割合で見ると、心の苦しさとの関係が見えた研究もあります。額だけでなく割合で確かめるのがおすすめです。

使った額を記録するだけで、効果はある?

効果はありますが小さめです。18本の実験のまとめでは、使った額などを知らせる方法で、数か月後に小さな減少(g=-0.10)が見られました。上限の設定と組み合わせて使います。

「ギャンブル・ガチャ・宝くじ」を順に読む
なぜ → 気づく → 工夫する(この記事) → 使う
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出典

  1. Riley, B. J., Oakes, J., & Lawn, S. (2024). Gambling Harm-Minimisation Tools and Their Impact on Gambling Behaviour: A Review of the Empirical Evidence. International Journal of Environmental Research and Public Health, 21(8), 998. https://doi.org/10.3390/ijerph21080998
  2. Tørdal, E. V., Leino, T., & Pallesen, S. (2026). Loss Limits as a Predictor of Future Gambling Behavior. Journal of Gambling Studies, 42(1), 61-75. https://doi.org/10.1007/s10899-025-10446-3
  3. Smith, E. H., Free, B. L., Ginley, M. K., Whelan, J. P., & Pfund, R. A. (2025). Personalized Feedback Interventions for Indicated Prevention of Gambling Disorder: A Systematic Review and Meta-Analysis. Journal of Gambling Studies, 41(4), 1563-1581. https://doi.org/10.1007/s10899-025-10444-5
  4. Tabri, N., Wood, R. T. A., & Wohl, M. J. A. (2025). Effects of personalized and normative feedback via the Positive Play Quiz on responsible gambling intention, self-efficacy and behavior: A randomized controlled trial. Addiction, 120(5), 1016-1027. https://doi.org/10.1111/add.16722
  5. Drummond, A., Hall, L. C., Lowe-Calverley, E., Garrett, E., & Sauer, J. D. (2025). Loot box spending is associated with greater distress when normalized to disposable income: a reanalysis and extension of Etchells et al. and Xiao et al. Royal Society Open Science, 12(7), 231264. https://doi.org/10.1098/rsos.231264