浪費・衝動買い

セールだから買っていない?「お得」に動かされているかに気づく7つの質問

約6分で読めます 出典照合済み(2026-10-10)

壁に掛けられた空のハンガー
Photo: Jules Verne Times Two / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(家計・投資の助言ではありません。出典は末尾)。

「半額だったから」と買った物が、家のどこかで眠っていませんか。セールに反応しやすいのは、性格の欠点ではなく、多くの人にある傾向です。研究者はこの傾向を「セール反応性(セール・プローンネス)」と呼び、質問票で測ってきました。この記事では、その質問項目と実験の結果を参考に、自分のくせに気づくための7つの質問を用意しました。

3行でわかる

  1. 研究では、価格への反応を「価格意識」「セール反応性」「価値意識」の3つに分けて測る。たとえば「セール中であることが、買う理由になりうる」に同意するほどセール反応性が高い。
  2. 値引きで買うと「得をした」気持ちが生まれ、食べ物を無駄にしやすくなる。中国の食堂の実験では、10元引きされた人の食べ残しの割合は30.6%で、値引きなしの24.9%より高かった。
  3. ただし想像の場面の実験では、「いくら得したか」でなく「いくら払ったか」に目を向けると、この差は消えた。振り返るときは、払った金額から考えるとよい。

01 悩みの正体「セールだから買う」は、どんな傾向?

「セールだから買う」は、研究で「セール反応性」と呼ばれる傾向で、質問票で測れる。安さそのものより、値引きされていることに反応する傾向を指す。

セール表示に心が動く仕組みは、価格アンカリングの研究や「お得感」と支出の研究で扱いました。この記事は、その先の「自分はどのくらい動かされているか」に気づくためのものです。

02 科学的にわかっていることセールで買った物は、無駄になりやすい?

食べ物では、値引きで買った物ほど無駄にしやすい傾向が実験で示されている。値引きで「得をした」と感じると、残したり捨てたりしやすくなる。服や家電で同じかはまだわからない。

Lichtenstein ら(1993)の質問票。Stuber ら(2020)の研究計画での紹介 [1]

価格への反応を3つに分けて測る。価格意識(5項目)、セール反応性(6項目)、価値意識(7項目)で、それぞれ7段階で答える。セール反応性の例は「セール中であることが、私がそれを買う理由になりうる」。

対象: オランダのスーパーで行われた研究の計画書で、使う質問票として紹介されたもの / 限界: ここに挙げた項目は例で、6項目すべてではない。

傾向質問項目の例(日本語訳)高い人の特徴
セール反応性(6項目)セール中であることが、私がそれを買う理由になりうる値引きされていること自体が、買う決め手になりやすい
価格意識(5項目)安い値段を探すために、余計な手間をかけるつもりはない(逆の意味の項目)同じ物をより安く買うために手間をかける
価値意識(7項目)安い値段をとても気にするが、品質も同じくらい気にする払う額に対して、品質が見合うかで判断する

オランダの、社会経済的に恵まれない地域のスーパーに通う成人361人(30〜80歳)の研究では、セール反応性の平均は7段階で4.7でした[2]。真ん中の4より少し高く、少なくともこの人たちの間では、セールに反応するのは珍しいことではありませんでした。

Wang ら(2026)[3]

中国の大学食堂で166人を2つに分け、片方だけ会計時に10元を値引きした。食べ残しの割合は、値引きされた人が30.6%、値引きなしの人が24.9%だった。オンライン実験(195人)でも、半額で買った場面では、まずいクッキーを捨てる意向が高かった(7段階で5.53対4.52)。

対象: 中国の成人・大学生など、4つの実験 / 限界: 調べたのは食べ物の無駄で、服や家電などにそのまま当てはまるかはわからない。多くは場面を想像して答える実験。

Wang ら(2026)の追加実験 [3]

大学生284人の実験では、「いくら節約できたか」に注意を向けた人では値引きで無駄が増えたが、「いくら使ったか」に注意を向けた人では、この差が消えた。別の324人の実験では、予算を超えた買い物だと感じた場面で、この差が見られなくなった。

対象: 中国の大学生284人と324人(どちらも場面を想像して答える実験) / 限界: 1つの研究チームによる結果で、ほかの国で同じ結果になるかはまだ確かめられていない。

Martino ら(2026)[4]

アメリカの大学生298人が模擬コンビニで買い物をした実験。たばこ広告から値引き表示を外すと、セール反応性が高い人でだけ、将来たばこを吸う可能性(喫煙感受性)が低くなる傾向が見られた。

対象: アメリカの大学生298人 / 限界: 統計的にははっきりしない境目の結果(P=.06)で、商品もたばこに限られる。

03 今日からできる小さな一歩セールに動かされているか、どう気づく?

セールに動かされているかは、最近セールで買った物を1つ思い出し、次の7つの質問に答えると気づきやすい。当てはまる数が多いほど、値引きが判断を動かしていたサイン。

研究の質問項目と実験の結果を参考に作った振り返りです。診断ではありません。思い浮かべる買い物を1つ決めてから答えてください。

質問当てはまったら参考にした研究
1. 値引きがなくても、この値段で欲しいと思っていた? →「いいえ」セールが買う理由になっていたセール反応性の項目 [1]
2. 「いくら得したか」は言えるのに、「いくら払ったか」はすぐ言えない節約した気持ちが、払った額を隠しているWang ら [3]
3. 前にセールで買った物を、使い切っていない・ほとんど使っていない値引きで買った食べ物ほど無駄にしやすいという実験結果に近いWang ら [3]
4. 買う前に、品質やほかの商品と比べなかった安さだけで決めていて、価値意識が働いていない価値意識の項目 [1]
5. 通知や「本日限り」を見てから、買い物を始めた欲しい物からでなく、セールから買い物が始まっているネットの衝動買いのメタ分析(販売促進・期間限定などの品薄表示)[5]
6. 今月の予算を超えているのに、「安かったから」で納得した予算を意識すると、値引きの影響は小さくなるWang ら [3]
7. 好きなブランドより、セール中のほうを選んだ好みより値引きが優先されているセール反応性の考え方 [1]
1

最近セールで買った物を3つ書き出す

ネット通販の購入履歴を開き、「セール」「〇%オフ」で買った物を3つ選ぶ。1つずつ上の7つの質問に答える。

所要 10分

2

「払った額」を書き添える

割引額ではなく、実際に払った金額を横に書く。「いくら使ったか」に目を向けると、値引きの影響が小さくなったという実験結果を使う工夫です。

所要 3分

3

使っていない物に印をつける

3つのうち、ほとんど使っていない物に印をつける。印がついた物の共通点(通知から買った、深夜だった、など)を1行メモすると、自分のきっかけが見える。

所要 3分

04 続けるためのコツセール前に気づくには、どうする?

セール前に気づくには、カートに入れた時点で「定価でも欲しいか」と「払う額はいくらか」の2つだけを確かめる習慣をつけるとよい。7つ全部を毎回やらなくてよい。

05よくある質問

セールで買ってしまうのは、お金にだらしないから?

いいえ。セールに反応する傾向は「セール反応性」と呼ばれ、珍しいものではありません。オランダの成人361人の研究では、平均は7段階で4.7と真ん中より少し高めでした。だらしなさではなく、値引き表示に心が動く普通の反応です。

セールで買った物を使わないのはなぜ?

食べ物を使った研究では、値引きで「お金が浮いた、余裕ができた」と感じることが、無駄を増やす仲介役になっていました。中国の食堂の実験では、10元引きされた人の食べ残しの割合が30.6%で、値引きなしの24.9%より高くなりました。服や日用品で同じことが起きるかは、まだ確かめられていません。

本当にお得な買い物かどうか、どう見分ける?

「値引きがなくても欲しかったか」と「実際にいくら払うか」の2つを確かめるのが簡単です。食べ物の引換券を想像する実験では、節約額でなく支払額に目を向けると、値引きによる無駄の増加が見られなくなりました。

「セール・割引・ポイント」を順に読む
なぜ → 気づく(この記事) → 工夫する → やってしまったら → 使う
この悩みのガイドを見る

出典

  1. Stuber, J. M., Mackenbach, J. D., de Boer, F. E., et al. (2020). Reducing cardiometabolic risk in adults with a low socioeconomic position: protocol of the Supreme Nudge parallel cluster-randomised controlled supermarket trial. Nutrition Journal, 19, 46. https://doi.org/10.1186/s12937-020-00562-8
  2. Stuber, J. M., Beulens, J. W. J., van Lierop, J. J. E., et al. (2024). Are Dutch adults equally susceptible to nudging and pricing strategies? Secondary analyses of the Supreme Nudge parallel cluster-randomised controlled supermarket trial. BMC Medicine, 22, 228. https://doi.org/10.1186/s12916-024-03429-5
  3. Wang, Y., Xu, W., & Sarigöllü, E. (2026). Do Promotions Make Consumers More Wasteful? The Effect of Price Promotion on Consumer Food Waste Behavior. Behavioral Sciences, 16(4), 495. https://doi.org/10.3390/bs16040495
  4. Martino, S. C., Setodji, C. M., Dunbar, M. S., et al. (2026). The effect of removing point-of-purchase price discounts on college students' future tobacco use susceptibility depends on price sensitivity. Translational Behavioral Medicine, 16, ibag055. https://doi.org/10.1093/tbm/ibag055
  5. Zhao, Y., Li, Y., Wang, N., Zhou, R., & Luo, X. (2022). A Meta-Analysis of Online Impulsive Buying and the Moderating Effect of Economic Development Level. Information Systems Frontiers, 24, 1667–1688. https://doi.org/10.1007/s10796-021-10170-4